• 2009.03.21 Saturday
  • スポンサーサイト
  • by スポンサードリンク

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • - | -

「フェルモス家、ね……」

 アクロポリスシティ、アップタウンの中央よりやや北側にある建物の一室で、エミルの女性が眉をひそめながら呟いた。
 短く切り揃えられた赤い髪に手をやりながら、椅子に深く座りなおし――小さくため息をついた。

「何かあったのか?」

 ため息を聞きつけたのか、部屋の隅に置かれたソファーに座っていたドミニオンの男が声を掛けた。

「イストー岬にあるフェルモス家の屋敷が全焼した、ってだけなんだけどね」

 女性は、かけられた声に応えながらデスクの最下段の引き出しを開け、数多のファイルが並べられている中から手探りで一つのファイルを引き出し、机の上へと置いた。

「……それは?」

「四年前、フェルモス家で起きた事件の資料よ」

 そう言いながら、ファイルは開かずにその端を指で軽く叩きながら、女性は続けた。

「一応解決した事件の、ね」




続きを読む >>


 こうして、蒼と碧は表舞台へと姿を現した。
 そして最後の一色――紅が姿を現す時、本当の継承戦が始まる。

続きを読む >>

 届かない、届かない、届かない。
 幾千、幾万もの言葉を費やしても、決して届かない。
 手を伸ばしても触れる事は叶わず、ただ……見ている事しかできない。
 実際、触れる事ができたら何か変わるのだろうか。

「…………」

 これだけ近くに寄ったのはいったいいつ以来だろうか。
 私たちが、戦場を共に駆けていた時。
 その後、各々の主について別の世界に移動して――
 それからは一つの世界に集まる事がなかった。
 正確に言うと、私たちが集まる事を忌避していたのだ。
 集まってはいけない。
 それは、私たちの間に存在した暗黙のルールだった。
 私たちが集まってしまえば――必ず、争いが生まれるのだから。


続きを読む >>

 夜。
 イストー岬の海に面する場所にある屋敷。
 その中の一室の窓から、一人の男――レッツェル・フェルモスは海を眺めていた。
 格好自体はどこにでも居る青年のそれだが、腰に巻かれたベルトに差されている鮮やかな緑色の杖だけが、異彩を放っていた。

「まだ、平和なままか……」

 カタカタと風で揺れる窓から、穏やかな海を見ながらレッツェルは続ける。

「儲けだけを考えるなら西に売れば良いんだろうが、向こうだと商人の連中が厄介だしな……」

 俯いてそこまで呟いて、しばしの間を置く。
 そして、顔を上げ――

「今しばらくは現状維持……だが、いつかは――」

 そう言うレッツェルの目は、自信に満ちていた。
 自分にできない事は何も無い。
 そう信じきっているかのように言い切ったレッツェルの耳に、控え目ながらも部屋の扉を叩く音が聞こえた。

「どうした?」

「お食事の準備ができました」

 それは彼の屋敷に勤めるメイドの声で、彼に食事ができた事を伝えに来たようだった。

「そうか、今行く」

 そう答え、窓に背を向けて扉へと向かう。
 カタカタと風に揺れる窓は、一体何を暗示しているのだろうか。
続きを読む >>

 始まりの刻。

 それは物語が動き出した瞬間ではない。
 緩やかな流れが姿を変えようとする前兆。
 それが、始まりの刻。

続きを読む >>

 その日は、朝から嫌な予感がしてたんだ。
 目が覚めたら、部屋に飾っていた花が枯れていたし、仕事で外に出たら頭上から植木鉢が落ちてきたり、仕事先では取引相手がモンスターに襲われたという連絡が入ったり……相手に怪我がなかったのは不幸中の幸いだが。
 本当に、嫌な予感がしてたんだ。
 そして今、最悪の形でその予感が現実のものとなった。

続きを読む >>

 エチュード家に仕え始めてから、どれだけの月日が流れただろうか。
 その月日は、私が居場所を得てからと同じ時間。
 生まれ育った家に私の居場所は無く、ここで初めて自分の居場所を得る事ができた。
 だからこそ、私はこの屋敷を、エチュード家を守り続ける。
 本当の名を隠し、当主となる者に過酷な試練を与える事になろうとも。
 それが屋敷のためになると信じて……

続きを読む >>

「く、そ……っ」

 地面に剣を突き立て、それを支えにして身体を起こす。
 周囲は黒く揺らめく闇に覆われており、目的となる場所を確認する事もままならない。

「まだ、負けられないのに……」

 挫けそうな心を支えるのは一人の女性。
 何かをしてあげる事も、どうする事もできずに、別れるしかなかった人。
 ここで俺が負けてしまえば、次にここに投げ込まれるのは彼女なのだ。
 そう、俺がこの儀式を無事に終わらせる事。
 それこそ、今の俺にできる、彼女にしてあげられる事なのだ。
 両足で大地を踏み締め、体重を移動させてなんとか立ち上がり、地面に刺した剣を抜いてしっかりと握り締める。

「……来い、俺はまだ――負けちゃ居ない」

 口元で笑みを作り、心に少しだけ余裕を作る。
 まだ負けてない。
 勝つ方法は、どこかにある。
 そう信じる事で、この戦いに勝つという思いを強くする。
 そしてその思いを胸に、俺は――黒き闇へと、足を踏み入れた。
続きを読む >>

 子供の頃の記憶。

 甘く、切ない、大切な思い出。

 積み重なる記憶に埋もれ、思い出す事のなかったもの。

 それは父親に連れられて行った、ある貴族のパーティーでの事だった。
続きを読む >>

今回は前書きー。
というか、書き上げてすぐにUpなのでー…
誤字脱字、一切チェックしてません。
なので、そのあたりは報告をしてくれると感謝するのです。
後は何かあるかなぁ……
ぁ、前回のとは関係ないお話なのですよーとか。
この話はオフィシャルです。とかかなぁ……

まぁ、気にせずに読んでくださいー。orz



続きを読む >>

<<new | 1 / 1pages | old>>
 
CALENDAR
SMTWTFS
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< April 2017 >>
SPONSORED LINKS
COMMENT
PROFILE
MOBILE
qrcode
SEARCH
無料ブログ作成サービス JUGEM

(C) 2017 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.